鳥羽山城 ~陣城から迎賓機能を持つ居館へ~の詳細

鳥羽山城 ~陣城から迎賓機能を持つ居館へ~
城館探訪記
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記事タイトル 鳥羽山城 ~陣城から迎賓機能を持つ居館へ~
概要

二俣城の南方の丘陵上、現在鳥羽山公園となっている場所に築かれたのが鳥羽山城です。丘陵の上まで車で登ることができます。鳥羽山城は、東西500m以上におよぶ標高108mの独立丘陵を巧みに加工して築城されています。本丸をめぐる土塁や石垣が良好な状態で残され、本丸の内部では、発掘調査によ…… more って礎石建物や庭園が確認されています。また、本丸に至る大手道は石垣で荘厳化されており、幅6mを越える破格の規模を誇ります。こうした特徴から、鳥羽山城は迎賓機能を備えた領主の居館だったと推定出来ます。一方、隣接する二俣城では、天守が築かれ、瓦葺の門が建てられるなど、軍事的な機能に優れた本格的な城郭が整備されます。このように、鳥羽山城と二俣城はその性格が対照的であり、「別郭一城」とよばれる一連の城であることが、二つの城の特徴から読み取ることが出来ます。  鳥羽山城と二俣城は、永禄3年(1560)の桶狭間の戦いを契機に今川氏によって築かれたと考えられます。永禄11年(1568)今川氏の滅亡により、両城は徳川家康が領有することになりますが、三方ヶ原の戦いがあった元亀3年(1572)には武田信玄によって攻略されました。長篠の戦いがあった天正3年(1575)まで徳川方と武田方によって両城をめぐる激しい攻防戦が展開され、武田方の二俣城を攻める際には鳥羽山城に徳川方の本陣が置かれました。その後、天正18年(1590)まで鳥羽山城と二俣城は徳川方が領有しましたが、家康の関東移封に伴い豊臣系の大名である掘尾氏が遠江に入ると、浜松城主掘尾吉晴の弟宗光が二俣城主となります。この頃に鳥羽山・二俣両城は石垣が築かれるなど現在見られる姿に整備され、鳥羽山城は迎賓機能を備えた領主の生活の場となったと見られます。こうして整備が進められた鳥羽山城と二俣城でしたが、関ケ原の戦いがあった慶長5年(1600)以降は、戦略拠点としての重要性は薄れ、廃城となりました。(説明板参照) close

鳥羽山城 ~陣城から迎賓機能を持つ居館へ~
サイト名 城館探訪記
タグ 城館(静岡)
投稿日時 2017-09-23 03:40:01

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