第261回:新井城(三浦氏滅亡の地)の詳細

第261回:新井城(三浦氏滅亡の地)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第261回:新井城(三浦氏滅亡の地)
概要

訪問日:2016年5月新井城は神奈川県三浦市にあったお城です。ここは鎌倉時代より続く名門であり,戦国時代は扇谷上杉家の傘下しとして伝統勢力を代表する三浦氏が戦国武将・下剋上の代表格として知られる北条早雲により滅亡に追い込まれた地です。道寸(どうすん)こと三浦義同(みうらよしあつ)…… more は北条早雲の最大のライバルといえる名将でありましたが,徐々に追詰められ居城としていた岡崎城を攻められ息子の三浦義意(みうらよしおき)に守らせていたこの新井城へ退却。水軍も擁する三浦氏は三浦半島の端に位置し断崖絶壁で守られたこの城で3年間の攻撃を耐え抜きましたが,1516年 早雲を苦しめ続けた道寸も「討つ者も 討たるる者も 土器 よ くだけて後は もとの土くれ」の辞世の句を残し切腹,荒次郎の異名を取る猛将 義意も父の死を見届けた後,壮絶な討死を遂げました。残念ながら現在,新井城の本丸をはじめとする主要部分は東大附属臨海実験所になっており立入禁止となっています。訪問した2016年5月29日は年に一度の道寸祭りで笠懸がを見れる他,普段は立入禁止の東大臨海実験所の敷地への立入が一部許可されるという特別な日でした。  【左】油壺のバス停から歩いていくと新井城の姿が見えてきました。【右】主要部分の直前に内引橋と呼ばれる場所があり,堀切で陸地と切り離し引橋を掛けていたと考えられています。写真の油壺験潮場入口から下がまさに堀切の跡です。  【左】験潮場の入口から下りると油壺湾に到達します。道寸,義意,その家臣らの壮絶な討死より血に染まった湾が油を流したようであったことからこの名が付いたと言われています。【右】新井城を周回するように整備された遊歩道の入口。ハイキングコースと示された点線の内側に主要な城域が収まるような形です。これは現地説明会で提示された縄張図。居館跡(御殿跡)と書かれた本丸部が東大臨海実験所となっており立入禁止。西曲輪も油壺マリンパークによって破壊を受けており,中心部の周辺を見て回るというのが一般的なルートになると思います。  【左】遊歩道入口の直ぐ左手に畑地となった曲輪があるのですが,土塁を確認することが出来ます。【右】遊歩道の右手には主要な曲輪の土塁が続いています。  【左】普段も見ることのできる最大の見所は,遊歩道沿いにある堀切。左手が本丸になります。【右】本丸の外壁の様子,土塁が築かれているため下から内部の様子をみることは出来ません。  【左】遊歩道を進み直ぐに浜に下りずに直進すると南曲輪。千駄櫓と呼ばれる兵糧の備蓄場があった場所で大きな洞窟もあったそうです。【右】ごそごそと登ってみますと何かの建物がありました。  【左】荒井浜に下りて,本丸の方を見上げますと新井城の要害っぷりがわかります。【右】道寸祭りに合わせた特別公開に向かうべく東大臨海実験所の入口正面に来ました。  【左】何やら土塁のようなものが見えてきました。【右】進むと左手に遊歩道から見えていた堀切を反対側見る場所に来ました。  【右】右手には高櫓と呼ばれる櫓台跡があります。【左】先程の堀切から高櫓を巻くように堀が続いています。  【左】虎口になっている先が本丸の居館跡。虎口の両側が曲輪の土塁とすると中々良く残っているのではないかと思います。【右】虎口の奥に東大臨海実験所。ここまでしか入れてもらえませんでした。ちょっと中途半端。  【左】二の丸と言うべき西曲輪は現在、油壺マリンパークとなっており,遺構は破壊されています。【右】油壺マリンパークの周囲に三浦道寸と義意の墓があるので見ていきましょう。まずは三浦義意の墓です。ここは城の中心部ではないのですが新井城の城碑があります。  【左】義意の墓から少し下がったところにある三浦道寸の墓です。【右】せっかくなので道寸祭りの様子をば。まずは剣の演武で盛り上がっていきます。道寸祭りのメインイベントとして武田流弓馬道一門より笠懸が披露されました。笠懸は鎌倉時代より続く三大古弓馬術の一つとして知られ,弓術をお家芸とした三浦氏に因んだものです。これは凄い迫力。格好いい。戦国時代への過渡期に早雲のライバルとして活躍した三浦氏最期の地は是非行ってみたかった場所です。遺構を十分に見ることが出来たとは言い難いのですが,素晴らしい笠懸を見れて大満足の一日でした。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第261回:新井城(三浦氏滅亡の地)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 神奈川県の城郭
投稿日時 2017-09-17 06:40:08

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