訪問日：2016年5月交野城は大阪府交野市にあったお城です。私部（きさべ）集落にあることから，私部城（きさべじょう）と呼ぶことも多いのですが，この呼び方は江戸時代以降に定着したようです。1570年に城主であった安見右近が織田信長方の勢力として確認されますが，三好三人衆方の松永久秀…… more に殺害されています。1571年 安見信七郎は松永久秀の攻撃を佐久間信盛や柴田勝家等の援護を受け退けています。  【左】交野郵便局横に残る土塁。【右】郵便局の道を挟んで南東側にも土塁は続いています。  【左】土塁の付近にある池，高低差の無い平城のために川や湿地帯といった自然地形を上手く利用した城であったことが考えられます。【右】曲輪は東西に順番に並んでいた連郭式の縄張りで，この畑地が一番西側の曲輪です。  【左】最大の見どころは西側の曲輪と主郭を断ち切る巨大な堀切です。現在は畑地になっていますが，形状を良く留めています。【右】主郭も畑地，駐車場，宅地等になっています。  【左】主郭より東側の曲輪については宅地化が進んでおり，僅かに地形から名残を感じる程度です。【右】城域の北側に回り込むと主郭部分がよくわかります。手前の田んぼも堀であったことが想像できます。  【左】これも北側からの光景です。先程の巨大な堀切の反対側を見ることが出来ます。【右】城域の南側には寺院が集中しており光通寺（道左側）付近は写真のように微高地となっていることから，曲輪の機能を持っていたとの指摘もあります。城域の周辺に寺院を配置して出曲輪として機能させる例はよくあるパターンです。駅や市役所にも近い交野市中心部に中世平城の遺構がこれだけ残っていること自体，都市開発で消えゆく城跡が多い中で奇跡的というしかありません。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへにほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第258回：交野城（市街地に良く残る中世城郭遺構）