越前 安居城  姉川の合戦、朝倉方総大将・景健の居城の詳細

越前 安居城  姉川の合戦、朝倉方総大将・景健の居城
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 越前 安居城  姉川の合戦、朝倉方総大将・景健の居城
概要

越前 安居城 (福井県福井市金屋町)元亀元年(1570)、織田・徳川連合軍と朝倉・浅井連合軍が激突した「姉川の戦い」。浅井長政が浅井軍の総大将であることは周知の通りですが、朝倉軍の総大将となると・・。意外と知られていませんが、朝倉景建が、その人です。姉川を挟んで対峙した両軍間にお…… more いて、開戦の火蓋をきったのは、朝倉景健軍。そして総崩れの敗走を開始したのも景建率いる朝倉軍であったと伝わります。まさに姉川の戦いの行方を担った最重要人物、といっても過言ではありません。今回はその朝倉一族での重要人物、景健が居城、安居城を訪ねました。雨が滴る中、安居城に到着、県道からの姿を確認します。 与須奈神社の北から迂回して駐車場へ。こちらの与須奈神社も安居城の出丸跡と推定され、見張り台としても良好な位置にあります。神社と主郭部の間にも堀切の址が見られたそうですが、整地に伴い消滅したとのことです。以前あった廃業ホテルが整地され駐車場になっていました。(堀も整地された、ということ・・) 池に沿って登城コースが整備されています。 池ではカモさんたちによるシンクロの練習風景が見られました(かわいい) 雨の日の電気柵は特に注意!。 山の手に向かって登って行きます。山の斜面が結構な急斜面になっているのがわかります。歩いて5分足らずで主郭部に到着。わりと楽勝です。安居城は福井平野を一望できる日野川と一乗谷流れる足羽川の合流地点に位置しています。城址からの見晴らしは抜群、古くから要害の地として、また交通の要衝として重要視されました。南北朝期に越前守護・斯波高経の家臣・細川氏が城を築いたのが創築とされます。安居城は建武の中興における戦いより機能していた、ということになります。「想像図」とはいえ、その出来栄えの素晴らしさは必見の価値あり。張り出した尾根一帯を削平したいわゆる「関所」タイプの城であったようです。背後の高い山には遺構が見られない、とのことで「山腹部居館」という表現も当てはまります。南北朝期からあまり改修をうけずに戦国期まで引き継がれたような縄張りですね。 主郭部はよく削平され城全体がテラスのよう。雨もしたたるよき石碑、とはこの事。自治会様方の努力によって案内看板、想像図などが立てられており、訪問しがいがあります。石碑も夏草に埋もれることなく管理されているようで手入れがされています。麓の金屋町や下市町の横手から簡単に登ることができるのもうれしいですね。虎口を内側からみます。北東部には土塁がよく残っていました。敢えて尾根を掘り切らず、山側斜面際いっぱいまでスペースを確保しています。姉川合戦図屏風(福井県立歴史博物館:所蔵)に描かれた総大将・朝倉景健の姿は・・。自軍の劣勢を感じ、自ら戦おうと馬にまたがるところを従者に引き留められる様子が描かれています。彼は義景の代理として役不足だったのでしょうか?・・そうとも言えないようです。同年9月20日の下坂本の合戦では織田家臣の森可成(森長可の父)と信長の弟・織田信治ら750余人を討ち取るという大戦果を挙げているではありませんか。そして天正元年(1573年)8月13日の刀根坂の戦いでは奮戦して、切腹を覚悟する主君・朝倉義景を励まし越前へ逃がすことに成功しています。朝倉家が滅ぶと信長に降伏し、姓を安居と改め、所領を安堵されます。しかし翌年、越前で一向一揆が起きると一揆方に降伏。天正3年(1575年)、織田軍の越前再侵攻の際は、織田軍へと再び叛意。一揆の指揮官・下間頼照・下間頼俊らの首を持参して信長に許しを乞うも認められず、自害させられました。哀れな最期ですが、一族で信頼して朝倉軍を託せるのは彼しかいなかったのでしょう。腰の重い主君・義景や腹に一物を持った景鏡らに代わって奮戦している姿が見られます。自分の目には朝倉宗家のため懸命に応え、努力している忠義の士と映りました。真夏の雨がちょっぴりもの悲しさをかもしだしていました。安居城の主郭部を指しておきます。 close

越前 安居城  姉川の合戦、朝倉方総大将・景健の居城
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 越前の城めぐり
投稿日時 2017-08-16 00:40:01

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