平須賀城 [2/2] 4段構成の曲輪に建物が並んでいた最深部の主郭群へ。の詳細

平須賀城 [2/2] 4段構成の曲輪に建物が並んでいた最深部の主郭群へ。
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記事タイトル 平須賀城 [2/2] 4段構成の曲輪に建物が並んでいた最深部の主郭群へ。
概要

平須賀城 訪問記 其の二。 [前回までの訪問記 概要]梅林の脇の急斜面をひたすら登って城域へ。城の北側のピークにある小曲輪から散策開始。城の北西サイドに作られた執拗な連続堀切・竪堀群、そして巨大な堀切とそれに隣接する高い切岸に驚かされる。切岸を超えて、いよいよ主要部へ。 …… more 訪問時期:2017年1月平須賀城 訪問記 − 其の一、二。 <訪問記> いよいよ主郭部が見えてきた。向かって左サイドは通路となっていて、右側は一段高くなっていて建物が立ち並んでいたようだ。左側も真っ直ぐに見えるが写真手前には段差もあり、いくつかの区画に分かれている。一本道ではなく、時折壁や門などがあったのだろう。今はもうなにもないので真っ直ぐ進む。主要部へ。こんもりした部分が2つ見えるが、実は奥に4段構成になっている。右側には帯曲輪がある。4段曲輪の最下段手前には、曲輪を取り囲むように横堀が掘られている。ここから堀に降りて更に高くなる切岸を直登するのは難しそうだ。4段曲輪の3段目には横から入り込む虎口が検出されている。では切岸を登らず、当時のルートに沿って帯曲輪から進もう。帯曲輪もまっすぐ一本道ではなく、何段かに分かれている。正面の段差は結構高いのでまっすぐ登るのではなく、更に右側を迂回するような形だったのだろう。帯曲輪の二段目へ。この左前の木の奥あたりに、主要部4段曲輪の上へのぼる道とその先に虎口があったようだが…。ちなみに帯曲輪はこのまま主要部に沿って一番奥まで続いている。このあたりが上へ登る虎口と思ったが、埋もれているのか、よく分からなかった。資料によると発掘調査で虎口が検出され、更にこの帯曲輪を通って更に下に降りるルートが見つかったという。虎口があったと思われるあたりから上へ登ってみる。3段目の曲輪。かなりしっかり削平されている。発掘調査では虎口の他に、ここ3段目の曲輪で掘立建物跡1棟が検出されている。2段目曲輪から、3段目4段目方面を見てみる。当時は周りを柵で囲まれ、曲輪の中には建物が並んでいた。出土品から有事の際にここで生活や儀式をしていた跡が見つかっているとか。2段目の曲輪。かなり広い!発掘でも掘立建物跡3棟の跡が見つかっている。1段目へは、左側に設けられたスロープのようなルートから上がる。平須賀城 主郭。10m四方程度の小さな削平地だが、最高地点でありまた高い木々もないため、360度パノラマで広く感じる。発掘調査では1棟の掘立建物跡と柵跡などが見つかっている模様。城跡碑や説明板などはなく、三角点のみ。平須賀城 主郭からの眺望。標高207m、比高も170m以上あり、かなりの高さで城下の南部平野全域とその向こうの南部湾まで見渡せる。これはすごい。下山中に虎口を探してみる。手前は2段目、奥は3段目。その間ぐらいの少し周囲の土塁?が凹んでいる様に見えないこともないあたりが、虎口跡?? うーむ。それにしても主要部のこの4段曲輪は全体的に硬そうな藪を豪快に刈った跡があり、整備前はさぞすごいことになっていたのだろうと想像。高い木々もなく日光あたりまくりで、ひと夏すぎたらまたボウボウになりそうだ。たまたま訪問時が伐採直後でラッキーなだけだったのかも知れない。整備の方ほんとうにお疲れさまです。無事下山。左奥のモコッとしたところが恐らく平須賀城主郭。右側の尾根をずっと登っていった。では最後に、平須賀城のパネル展示やジオラマがある「みなべ町うめ振興館」をご紹介。こういう建物です。道の駅でもあり、入場無料。主郭から見えた南部平野の中央あたり、南部川沿いにあります。うめ振興館の1Fは歴史民俗資料展示コーナーとなっており、その一角に平須賀城ジオラマとパネル展示がある。ジオラマの平須賀城 説明。平須山の平須賀城。元は平須ヶ城だったのかも? 石積も出土しているようだ。こちらが平須賀城ジオラマ。これは力作!発掘調査の結果をしっかり反映しており、主郭の建物群も調査結果に基づくようだ。主郭の右側斜面は超急角度で、とてもこちらから直接は上がれない。主郭反対側から。6連の畝状竪堀群が目を引く。右側と左側から上がってきた敵は左右に移動できない。今回登ってきたルートはこの構図の左端からで、6連の畝状竪堀群に沿って右側に横移動し、上にあがった。6連はすべてを一気に見ることはできず、2本ずつなど分けてみたため、6連のようには現場では感じられなかった。近寄ってボケを出してみる。さらに壮大な山城に見える。城跡に見る戦乱の時代、平須賀城跡の発掘調査パネル。読み応えあり。南部地域でも応仁の乱の影響で様々な勢力が台頭、愛須氏・山田氏・龍神氏などの支配を経て、野邉氏(野辺氏)が領主の16世紀後半に、紀南エリアで一大勢力を誇った湯河氏の助けを借りた農民一揆で平須賀城は落城したという。湯河氏はその後、秀吉の紀州攻めでゲリラ戦を展開し秀吉方を苦しめた。縄張図を持参していない場合はこれを写真を撮ってから登ろう。 訪問時期:2017年1月撮影機器:FUJIFILM X-T10 + XF14mm ページの一番上に戻る close

平須賀城 [2/2] 4段構成の曲輪に建物が並んでいた最深部の主郭群へ。
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城
投稿日時 2021-09-26 15:20:02

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