謎多き古代山城「鬼ノ城」の詳細

謎多き古代山城「鬼ノ城」
ゆうりの世界
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記事タイトル 謎多き古代山城「鬼ノ城」
概要

JUGEMテーマ:お城   みなさん、こんにちは。 ゆうりです。   一日というものは、あっという間です。 そう思うと一日たりとも無駄にはできません。 一日の大切さを痛感するからこそ、更新頻度が低下しております。   さて、そんな…… more ゆうりが本日お届けするのは、 日本100名城の49城目、       No.69鬼ノ城です!   登城日は平成30年8月中旬です。   読み方は「きのじょう」ですが、「鬼の城」とは、なかなか物騒なお名前です。 こちらは、いわゆる古代の山城。 大野城や、鞠智城と同じような時代、目的で作られたのではないかとされています。   このお城は、長い登山道を超えた先にあります。 そのため、公共交通機関でたどり着くには困難を極めます。 一応、公式ブックには、吉備線服部駅から徒歩5kmと書かれていますが山道です。 歩くのはお勧めしません。タクシーかレンタカーなど別の手段を考えましょう。   このお城を攻略するスタート地点は、山頂付近の駐車場です。 この駐車場に併設されているのが、     鬼城山ビジターセンターです。 ここで、お金を払い、スタンプを押して中に入ります。 まずは、ビジターセンターでお勉強です。   このお城の特殊さと、素晴らしさが、事細かに書かれております。 写真のような模型もあり、ここでしっかりと学んでから散策へ行きましょう。 この記事も、この時学んだことを参考にして情報を整理していきたいと思います。   お城へは、このビジターセンターから歩いていきます。     なかなかな山道です。 木々が生い茂っており、涼しさを感じますが、それでも暑い。 なんという蒸し暑さでしょうか。   遊歩道を杖の力を借りながら登っていくと、ちょっと近代的な構造物が見えてきます。     学習広場と名付けられている建物です。 そこから、鬼ノ城の西門や、総社市を一望することができます。 絶景スポットです。 写真には、角楼と西門が見えています。   ここまでくればあと少し。 備中松山城も同じような気持ちでした。 暑さに耐えながら、高揚感をもってお城を目指します。   そして、見えてくるのが、この構造物!     復元された角楼です。 この構造物は、城塞から少し飛び出しており、正面と側面から攻撃できる防御の要の一つです。   この建物でも立派なものですが、ここは、まだ序の口。 少し(60mほど)先には、一枚目の写真、復元された西門があります。   西門こそ、鬼ノ城の顔とも呼べる場所です。 周囲は登山道(遊歩道)が整備さえていることから分かるように、山伝いに攻め込まれやすい場所でした。 そのため、西門の手前に角楼を設けました。さらに、その位置関係も距離60mと、当時の弓矢の射程を意識したものであったそうです。西門の規模も、南門と同規模で、鬼ノ城最大。 正真正銘の防御の要でした。   鬼ノ城の城壁は、一部石垣がありましたが、大部分は版築土塁と呼ばれる工法でした。     この土塁は復元されたもので、西門の側面から撮影したものです。 この工法は、当時最先端の技術で、寺院や城塞などの大型建造物で使われました。 礎石を置いて土台を固めてから、土の層を一層ずつ突き固めていくという途方もない方法です。 気の遠くなるような作業量と人的資源が必要になります。   しかし、その労力の分、出来上がれば、かなり強固なものになります。 なんでも、発掘時には鍬から火花が散るほどだそうです。 長い年月を経て、大部分が崩れてしまいましたが、その強さを今に伝えています。   ちなみに、この工法は、「千本づき」という1960年代まで堤防をつくる工法に似ているそうです。 資料には、「版築」と「千本づき」に直接的な関りがあるのか明記されていませんでした。 関係がなりとは思えませんが、根拠がないのでしょう。   このお城のすごいところは、まだあります。 まず、湧き水の出る貯水池が複数個所、穀倉と思わる建物が5棟発掘されているなど、長期戦を戦える備えがあったことです。 掘立柱建物の跡とみられる礎石は7棟分見つかっており、うち5棟が構造的に倉庫と思われています。 さらに、土塁の大敵である排水機能をもった水門が6箇所見つかっているところです。計画的にお城をつくったことがうかがい知れます。   しかし、すごいところに古代の人々はお城をつくったものです。 この地は、吉備の国の中心地、交通の要衝でもあった総社平野を一望でき、遠くは四国まで見渡せる場所でした。 守りの要としてこの場所を選んだことは納得できます。   さて、このお城は、古代のお城です。 先ほどから使っている古代のお城という表現ですが、古代のお城は、いくつかの種類に分かれています。   まず、大きく分けて二種類。東北地方に築かれた古代城柵と西日本に築かれた古代山城です。 さらに、古代山城も、朝鮮式山城と神籠石系山城に分かれています。   古代城柵は、多賀城や秋田城など、対蝦夷の前線基地として東北地方経営の要となったお城です。   朝鮮式山城は、記紀にも記されているように、白村江の戦いが契機となっています。このお城の特徴は、歴史書に記されていることです。大野城や鞠智城など、記紀を中心とした歴史書に、その築城が記されているものを朝鮮式山城としています。 逆に、歴史書に記されていないものを神籠石(こうごいし)系山城と呼んでいます。だれが、いつ、どのような目的で築城したのか分かっていないお城です。この神籠石系山城も、構造によって瀬戸内型と九州型に分けられています。   鬼ノ城は、神籠石系山城の瀬戸内型です。 といっても、つくり方は朝鮮式山城に近いものになっています。   最近では、朝鮮式山城や神籠石系山城といった区別をせずに大きく古代山城としての研究が進められているそうです。   鬼ノ城の存在は、吉備津神社の縁起で知られていました。 温羅(鬼神)と吉備津彦命の戦いの舞台として名前が登場していたのです。 あのももたろうのモデルになったとかなんとか…。   なんとも伝説の地を歩んでいる気持ちです。   ☆お城データ☆ 城所在地:岡山県総社市 交通手段:タクシーを使用(総社駅から30分弱)か自家用車 スタンプ:鬼城山ビジターセンター   お城巡りランキング   次はGWでしょうか…。 close

謎多き古代山城「鬼ノ城」
サイト名 ゆうりの世界
タグ 日本100名城
投稿日時 2021-04-23 23:00:02

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