「全国の“二重櫓”を巡る」をテーマで、「現存」と「復元・復興・模擬」の「二重櫓」の多様性（構造、形式、用途、目的、名称等）を実感しながら、北から南にかけてお届けしています。 本日第２８弾目は、「福山城　　月見櫓、鏡櫓、鐘櫓」の三基です。 「鐘櫓」は、カウントミ…… more スで当初の数に含めておらず「二重櫓」として追加しました。 左からＲＣ造り外観復元の「月見櫓」「鐘櫓」「天守」  ①「福山城　　月見櫓、鏡櫓、鐘櫓」(広島県福山市)　月見櫓・鏡櫓は外観復元のＲＣ造、鐘櫓は現存で福山市重要文化財 「福山城」は、「福島正則」の所領没収後に、「徳川家康」の従兄弟にあたる「水野勝成」を西国外様大名の抑えとして配置し、１６２２年に完成されました。 「水野家」は後継者が無く断絶し、その後「奥平松平家」が入城、更に１７１０年に「阿部家」が入りますが、幕末の老中「阿部正弘」を始め、歴代藩主は老中など幕府内で重要な職務を担っていましたので、江戸での駐在が殆どで「福山城」には入ることがなく、幕末・維新まで続きました。 「月見櫓」は、本丸南東隅に建ち本来は「着見（つきみ）櫓」のことで、藩主などの到着を確認する為の櫓であったそうです。上階には「高欄・廻縁」が設けられ、南側初重の唐破風下は出窓になり「石落とし」を装備しています。「伏見櫓」「御湯殿」等のとともに「伏見城」から移築されたものでした。 明治初年頃に取り壊されましたが、１９６６年にＲＣ造りの外観復元をしています。現在は、貸会場として利用されています。 ＲＣ造外観復元「月見櫓」（赤い「欄干・廻縁」が目立つ、東面で北側は「続櫓」）ＲＣ造外観復元「月見櫓」（北方向から）ＲＣ造外観復元「月見櫓」（南東隅から、初重に「唐破風」付きの「出窓・石落とし」）ＲＣ造外観復元「月見櫓」（南西方向から）ＲＣ造外観復元「月見櫓」（奥）と外観復元「御湯殿」（手前） 「鏡（かがみ）櫓」は、本丸東側に建ち、「月見櫓」から土塀で繋がります。千鳥破風は、二重目の南面と東面に付きますが、その位置はいずれも中心からずれて東端と北端に寄っている珍しいパターンです。 こちらは明治６年の廃城令で取り壊されましたが１９７３年に、外観復元ＲＣ造りされています。現在は、福山に関する文書・記録資料等の保管に使用されています。 ＲＣ造外観復元「鏡（かがみ）櫓」（北東方向から、初重破風が右寄りに付く）ＲＣ造外観復元「鏡（かがみ）櫓」（北東方向から）ＲＣ造外観復元「鏡（かがみ）櫓」（北方向から）ＲＣ造外観復元「鏡（かがみ）櫓」（南東方向から、南面の初重の破風は東寄りに付く）ＲＣ造外観復元「鏡（かがみ）櫓」（「本丸」跡内の南西方向から） 「鐘（かね）櫓」は、現存で市指定文化財です。当時は、鐘を吊り、太鼓を懸けて、時刻を示すと同時に半刻（１時間）毎に太鼓を叩いて城下に知らせていました。また、緊急時の武士招集用としても使用されていました。望楼型で望楼部分に鐘が吊られています。屋根は、当初は「杮葺」か「檜皮葺」だったそうです。 明治時代以降、何度もの修復を繰り返してきたことで原形を留めないくらいに荒廃していたことから１９７９年に修復、その際に屋根は「銅板葺」になっています。現在は、「時の鐘」を１日４回撞いているそうです。 現存「鐘（かね）櫓」（南面、上階には腰庇が付く）現存「鐘（かね）櫓」（南東方向から）現存「鐘（かね）櫓」（西側から）  下記の「ポチ」をどうぞよろしくお願いいたします。お城巡りランキング こちらにも「ポチ」をどうぞよろしくお願いいたします。にほんブログ村   close

＜福山城＞の”二重櫓”を巡る