<姫路城>の”二重櫓”を巡る(2)の詳細

<姫路城>の”二重櫓”を巡る(2)
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記事タイトル <姫路城>の”二重櫓”を巡る(2)
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只今、「全国の“二重櫓”を巡る」をテーマで、「現存」と「復元・復興・模擬」の「二重櫓」の多様性(構造、形式、用途、目的、名称等)を実感しながら、北から南にかけてお届けしています。 前回に触れましたが、「姫路城」には「渡櫓」含めて16基もの「二重櫓」が現存していますので、…… more 今回は第21弾目で「姫路城」の「二重櫓」2回目を掲載いたします。 ということで、本日第20弾目は、「にの門続櫓」「チの櫓」「リの一渡櫓」「リのニ渡櫓」の四基です。 ①「姫路城 にの門続櫓、チの櫓、リの一渡櫓、リのニ渡櫓」(兵庫県姫路市)、いずれも重要文化財 「姫路城」の成り立ちについては前回同様です。戦国時代後期に「小寺則職」に仕えた「黒田家」が、砦から「姫路城」を築城したのが最初のようで、「黒田孝高」が城代となった時に、「織田信長」の命で中国攻めに任じられよしみのあった「羽柴秀吉」に城を献上しました。 「秀吉」によって近世城郭に拡張されましたが、当時はまだ「姫山」に三層四階の「天守」が築かれただけでした。しかし関ケ原の戦い後には「徳川家」の信頼の厚い「池田輝政」が入城して、西国大名の監視を目的とする一大拠点としての広大な城郭建築が約10年弱かけて行われました。 その後、「本多忠政」が入城し、更に「三の丸」「西の丸」等が増築されています。 「にの門続櫓」は、「菱の門」から入城し「いの門」から登城する途中の門「にの門」に付随する形の「続櫓」であり「隅櫓」となっています。重要文化財指定は「にの門」の櫓門と一体として指定されていますが、登城路側から見上げると一つの櫓として見えますし、門の続櫓でもあるので、「二重櫓」としてカウントしました。 「にの門続櫓」からは、登城してくる敵を監視し、付随している櫓門である「にの門」内に入った敵を床をはずして上から攻撃を加えることができる仕掛けとなっています。 「にの門続櫓」(上部)は「にの門」(下部)と一体で重文指定されています(「乾小天守」より望遠)重文「にの門続櫓」を見上げた(「はの門」を出た所から)重文「にの門続櫓」(「にの門」から出た所から) また、櫓の二重目の「唐破風」の瓦には「十字架」が見えますが、これは「黒田官兵衛」時代、彼がキリスタンであったことから瓦に刻まれたと言われています。 重文「にの門続櫓」(唐破風の真ん中に「十字架」が付く瓦)重文「にの門続櫓」の「十字架」が付く瓦 「チの櫓」は、「備前丸」の下段で「お菊の井戸」がある「上山里曲輪」の南端に、後段にお届けする「リの一渡櫓」「りのニ渡櫓」と続いて建ち並んでいます。 左から「チの櫓」「リの一渡櫓」「りのニ渡櫓」 お城の真正面、「大手道筋」や「三の丸庭園」から「天守群」を眺めた時に美しさを増大させるアクセサリー的な櫓群となっていて、先日の2月初めにリニューアルオープンし、私のブログでも報告をいたしました。 『<姫路城> ”ぬの門・リのニ渡櫓”特別公開に行ってきました!』昨日は、2月から1ケ月間だけの特別公開であります「姫路城」の「ぬの門・リのニ渡櫓」を見に出向きました。 特別公開のパンフと入場券、「山陽電車」の「三宮・姫路1…ameblo.jp 形は上下同型の「重箱型櫓」、南西方向に建っていて、「切妻破風」の「出窓」とその下に「石落とし」を伴いますが、内側(上山里曲輪側)には一切の窓と破風はなく白壁のままです。 重文「チの櫓」(一番手前、外側から)重文「チの櫓」(「上山里曲輪」内「ぬの門」前から)重文「チの櫓」(重箱型で破風や白壁無し、「上山里曲輪」内から) 次に北西方向に繋がる「リの一渡櫓」は、南(外)側から見ると、1階には「石落とし」2箇所と窓を設けていますが、内側の2階には窓が無く白壁だけになっています。 先月の冬の特別公開では、特別展示物によって内部がはっきり判りませんでしたが、窓・天井部分だけでも写真を掲載しておきます。 重文「りの一櫓」(「備前丸」から望遠、左は「チの櫓」)重文「りの一櫓」の室内天井と壁面重文「りの一櫓」の室内窓 続く「リの二渡櫓」は、外側(南面)から見ると一重櫓に見えますが、実はその下の石垣の裏には部屋が2室あるそうです。 重文「リの二渡櫓」(左側で一重、その右側が「リの一渡櫓」)重文「リの二渡櫓」(「ぬの門」側の「石落とし」) その中は穴蔵で、城主「酒井家」時代には火薬の原料となる芋殻を保存していたそうです。また、手前側は現在、庇を付けて式台構えにして、明治、昭和、平成の各時代に大改装した時に取り換えられた鯱3匹を展示していますが、本来そこには、曲輪側にもう一つ部屋があり張り出していたそうで、明治時代の改修時に取り壊したことが古写真から解ったとのことでした。 重文「リの二渡櫓」(「上山里曲輪」側は二重、折れ曲がり2階へは階段で上がる)重文「リの二渡櫓」(「上山里曲輪」側は「式台構え」に)重文「リの二渡櫓」の「式台構え」内に並ぶ明治、昭和、平成の各時代に大改装した時に取り換えられた鯱 「リの二渡櫓」の二階への入口は、渡櫓北側の折れ曲がった所から階段で上がります。内部は土壁に柱が埋め込まれているだけの簡素な造りですが、北側は柱補強がされていて頑丈そうにできています。一階の倉庫に下りる階段があるそうですが解りませんでした。 重文「リの二渡櫓」内の手前の部屋重文「リの二渡櫓」の奥の部屋(ここから先は入場禁止)重文「リの二渡櫓」(室内)重文「リの二渡櫓」(天井の梁)  下記バナーのクリックをどうぞよろしくお願いいたします。お城巡りランキング こちらのバナーのクリックもどうぞよろしくお願いいたします。にほんブログ村   close

<姫路城>の”二重櫓”を巡る(2)
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投稿日時 2021-03-08 16:00:03

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