つわものどもが夢の跡街ごと堀と土塁で囲んだ岩槻城総構え。今回はその最南端の堀跡と、堀に面した高台の話です。■大構え■おおがまえ城だけでなく、城下町も含めて外周を堀や土塁で囲んだ構造のことを総構えといいます。小田原城が有名ですが、岩槻城も同じ。岩槻では大構え(おおがまえ)と呼んでい…… more ますが、意味は同じです。＜岩槻城の縄張り＞岩槻城址公園で撮影しました。城の北側は天然の川として、南側については、城下町を取り囲むように堀が設けられています。これが大構です。さて今回のご紹介はその『大構』の最も南側に位置する堀跡です。上の図だと切れてしまっているので、更に画像を追加します。ここが最南端の堀。すぐ上（北）に富士浅間神社とあります。堀は埋められているため、この神社を目印に訪問しました。＜富士浅間神社＞ふじせんげんじんじゃ岩槻太田氏ゆかりの神社です。説明によれば、当神社は岩槻城主の太田氏が、城下で最も標高の高い当地に冨士山頂から神霊を勧請したことに始まるようです。この高さで最高峰岩槻の台地がいかに低層か実感しますそして地図にも記されていた通り、富士浅間神社の南側は大構えの堀ですこちらがかつての堀の現在の姿です。すっかり埋められていますね。蓋をされた水路だけが、それとなく水堀だったなごりを留めています。大構の堀の内側は基本的には土塁だったようですが、この地点においては富士浅間神社が鎮座する城下最高峰の丘があります。岩槻城大構えの最南端にして、最も高い土の壁が立ちはだかった場所ということですね。■訪問：富士浅間神社[さいたま市岩槻区府内] close

暗渠と城跡24　岩槻城大構え最南端の堀跡