白旗城 [5/5] 東の谷筋を長大な石垣で遮断・削平した大手郭へ。の詳細

白旗城 [5/5] 東の谷筋を長大な石垣で遮断・削平した大手郭へ。
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記事タイトル 白旗城 [5/5] 東の谷筋を長大な石垣で遮断・削平した大手郭へ。
概要

白旗城 訪問記 其の五。 [前回までの訪問記 概要]登山口から登城。岩がゴロゴロしている「岩海地形」の登城路を頑張って登っていく。登城口から約50分かけて岩海地形の谷が終わり尾根上へ。かつての磐座跡の櫛橋丸を見て、二の丸から本丸、三の丸を経て、庭園跡もある伝侍屋敷へやってき…… more た。その奥には大手郭と呼ばれる石垣で区画された谷筋が広がる。その五では大手郭の石垣を下の方まで見に行って、その後城下の伝赤松屋敷跡を見に行きます。 訪問時期:2020年5月 / 2019年1月白旗城 訪問記 − 其の一、二、三、四、五。 <訪問記> 現在は図中央の第二郭の下(南)、谷筋に構築された「大手郭」「石積」を見に行っている。大手郭は図にもあるとおり、谷筋の下の方まで5つほど石積と削平地が作られている。一番下の石垣(グレーの線)に注目すると、ちょっとカクカクするような折れ曲がりが見どころのようだ。では順に見に行ってみよう。大手郭 最上段の石垣とその下の谷筋の斜面。上の石垣が崩落したのだろうか、結構下の方まで石材が散乱している。とても足元が悪いので注意して降りる。上から二段目の石垣。ここは最上段よりも高めの2mほどの石垣が一段だけ築かれていたようだが、中央部がご覧のとおり大きく崩落している。大雨が降って水が上から流れてきて崩落したのだろうか。ただこの石垣の上へあがるルートが見当たらなかったので、もしかしたら中央部に石段的な凹みがあった(そこがちょうど崩落して埋まった)可能性もあるかも。二段目石垣と中央の崩落。足元の石垣は崩落しているが、その下に石段のような遺構は見当たらず、それが西側とは異なるところ。二段目石垣全景。大きく崩落しているが、左右は斜面ギリギリまで石垣が築かれ完全に谷筋を遮断しているので、やっぱり真ん中に入口(石段的な)があった??二段目から三段目へ降りる下向きの図。谷筋なので結構急斜面。ここに石垣を作って削平地を作って屋敷地を確保したと想像。三段目石垣。谷筋も細くなり石垣も短く低くなってきた。三段目石垣を別角度から。四段目石垣はかなりの急斜面で杉の木もあり、枯れ葉で埋もれてしまっていた。横から見ると、急斜面っぷりとその上の削平具合のコントラストがよく分かる。四段目石垣の更に下へ。かなり急斜面で、左右の斜面も近い。五段目石垣へと向かう。石段らしき跡も。ここが五段目石垣。図面にあったとおり、石垣が90度に曲がっているのが上からでも分かる。石垣の下へ。おお、ここは比較的綺麗に残っている。奥の方で横矢掛けのように90度また90度曲げられている。五段目石垣のあるあたりはかなり急斜面の谷場で、大きな石垣を作って上部を結構な広さの郭に仕立て上げていることが分かる。石垣の高さは2mほど。五段目石垣の折れ曲がり部分。実は折れ曲がり部分の内側が大きく崩落しているようで、反対側から見ると全然異なる印象になる。ここも谷の端から端まで遮断しており、折れ曲がりの内側に石垣上段への入口があったのかも知れない。五段目石垣。左側の斜面がかなり急角度で落ち込んでいるのが見て取れる。よくこの急谷を石垣でこんなに遮蔽したものだと驚かされる。五段目石垣から更に下を見ると急斜面が更に落ち込んでおり、また谷筋も細くなっていた。図面ではここまでだったのと、結構下の方まで降りてきているのでこのまま降りると帰りはぐるっと山を回り込まないといけなくなるため、ここで引き返して上へ戻る。最上段へ戻ってきた。一番上の石垣の更に上、削平地を散策してみよう。写真左側は先程降りてきた伝侍屋敷側の斜面。右奥に結構広い削平地が続いている。このあたりが谷で一番広いところだろう、綺麗に削平されていて、石列で区画したような跡も残っている。谷を遮断していた石垣に比べて最上段の石列は低く2−3段程度。元々ここにあったのか、時折このような大きな岩石を利用している。削平地は段々になりながら、ずっと奥の方まで続いている。ここまでしか行かなかったが、図面を見るとこの奥は本丸南に伸びる第一郭付郭になるようで、当時は侍屋敷ではなくそこへとつながるルートだったのかも知れない。では下山しよう。最初に登ってきた岩海地形の大手道。上から見るとすごい急角度に見えるが、登りに比べてサクサクと進む。最後に、城下町に残る赤松居館跡と伝わる場所へ行ってみよう。登城口から5分ほど車で進んだ場所にある。字「御屋敷」と呼ばれる広い削平地だ。地図では隣の昆虫文化館を目指せばOK。高台の上にあり最後は急坂をあがる。この広い場所が赤松居館跡。今は恐らく市民の憩いの場だろうか。赤松居館跡入口あたりから白旗城を見る。櫛橋丸や、本丸の樹木の切れ目もよく見える。居館跡の奥は大きな土塁が囲っていた。写真では左端の方に土塁の端っこが少し写っている。当時は手前側も囲っていたことだろう。居館内部からもずっと白旗城方面が見渡せていた。赤松居館跡の一番奥に建てられている「苔縄城址」の石碑。苔縄城は同じく赤松氏関連の城郭で、ここから2kmほど南に下った苔縄地域の山城とされているが明確な遺構が見つかっておらず、砦程度のものだったかとされているとか。この石碑は元々その苔縄集落に設置されていたが洪水で川が氾濫した際に流され、紆余曲折を経てここに設置された・・・という話をどこかで聞いたが、どこで聞いたか忘れた。当日のGPSロガーマップ。以前はGarminを使っていましたが、最近はもっぱらiPhoneのGeographicaというAppで録ってます。後日それをGPXエクスポートし、AirDropでmacに移してGoogleEarthに読み込ませています。 訪問時期:2020年5月 / 2019年1月撮影機器:FUJIFILM X-T20 + XF10-24mm ページの一番上に戻る close

白旗城 [5/5] 東の谷筋を長大な石垣で遮断・削平した大手郭へ。
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城
投稿日時 2020-06-23 01:00:04

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