対馬 金田城 [4/4] 山頂に残る対馬海峡を睨む巨大砲台跡へ。の詳細

対馬 金田城 [4/4] 山頂に残る対馬海峡を睨む巨大砲台跡へ。
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記事タイトル 対馬 金田城 [4/4] 山頂に残る対馬海峡を睨む巨大砲台跡へ。
概要

対馬 金田城 訪問記 其の四。 [前回までの訪問記 概要]戦時中の軍道を通って石塁へ。全体的に崩落や木々に埋もれる部分も多いものの、見どころとなる場所では巨大な石塁を間近で見ることが出来る。東南角石塁・三ノ城戸・二ノ城戸・一ノ城戸などで金田城たる遺構を見てきた。最後は山頂部…… more へ向かい、対馬海峡に向けて設置された日露戦争時の砲台跡を見よう。 訪問時期:2019年1月対馬 金田城 訪問記 − 其の一、二、三、四。 <訪問記> 最初の説明板から再掲。現在は北東端から南西(左下)へ向かう色の濃い山道を登っていっているところ。色を見ただけでも坂がきつそうな事がわかる。斜面を登っていく。斜面側に土塁のような盛り上がりが見える。下部は石垣なのだろうが、見えない。時折、木々が途切れ斜面が見える場所があって、そこから石垣を見ることが出来る。これは振り返っての写真。石塁の上部の土塁がよく残っている場所も。自然の岩盤をそのまま使っていると思われるような場所も。ここを頑張って登っていく。なかなかの急斜面上に石垣が築かれ、その上が削平されていることがよく分かる。この高低差!10段から15段程度の石がこの急斜面にほぼ垂直に積み上げられている不思議。どうやって積んだんだろう。木々が生い茂っていて見づらいが、よく残っている石垣。近くで見ようと降りたら戻れなくなりそうな角度。無理は禁物で。そしていよいよ山頂部へ。延々と続く石段を上がる。ふぅ。頂部へたどり着くと、いきなりこの遺跡!日露戦争時に対馬海峡に向けて築かれた砲台跡。もちろん砲台そのものは残っていないが、それを支えた土台(コンクリートベース)はしっかりと残る。砲台の地下にあたる穴蔵への入口も。入ってみよう。砲台跡の内部はレンガ造り。行き止まりのこの先が、砲台の真下にあたる?ただ上は天井があり、小さな窓が外との唯一のつながりだった(窓があるので奥だけ少し明るい)。どういう構造になっていたのだろう。古代山城にいると思ったら、突如現れた戦争時代の遺構。削平されていたり石垣で固められていたりと、陸軍が山地を軍施設に改造するには都合の良い場所だったのだろう。中央部にあった大きな建物。こちらの中はレンガ造りではなく白い壁で、窓もなく真っ暗だった。もう片方の砲台跡。左右2台構成だったようだ。金田城山頂の砲台跡 全景。砲台は海側に直接向いているのではなく、一段低い場所に少し下がって配置されていた。海側からその姿がよく見えないようにするためかな。砲台跡から見た対馬海峡。晴れていれば朝鮮半島まで見えるはず。山頂部はこんな感じで完全に昭和初期の遺構群。元々どれぐらい削平されていたのかも分からない。奥の方へ行くとこちらも岩盤を思い切り削って削平した広い場所へ。一番奥にはレンガ造りの立派な建物跡が。将校レベルの部隊指揮官が居る場所だろうか。砲台跡から先は、その砲台まで造られた軍道沿いに降りていく。途中また石垣がよく見えるスポットを通過。ここは軍道がその石垣を貫いているようで、道から石垣が生えているような光景になっていた。このあたりもよく石垣が残っている。軍道や散策ルートから外れているからだろうか。岩盤をぶちぬいて作った軍道。車両を通すためある程度の幅や削平が必要だったためだろう。左右には排水溝もありしっかりと作られている。軍道(オレンジ点線)と散策路(白点線)の分岐点にあった説明板より。このまま軍道を通って南下すると、南門跡へ到達できそうだ。分岐点にあった写真満載の新しめな説明板。今回は行かなかったが、砲台跡から更に山頂部へ行くと断崖の上に築かれた石塁もあったようだ(右下の写真)。これは軍道の石垣か。もしかしたら元あった古代山城の石塁も崩されて軍道の補強のために再利用されている、こともあるかも知れない。軍道を降りて、石塁のラインまで戻ってきた。左奥は最初に見た東南角石塁への道。手前右へ進むと、南門へと通じている。こちらが平成になって発掘調査で発見された「南門跡」。南門跡。遺構保護のためか、全体的に土嚢が敷かれて見えないのが残念。南門 説明板。土嚢で見えない床面には石畳が階段状に築かれていて、柱穴を持つ礎石も4対残っていたという。礎石見たかった!南門跡。土嚢がかなりガッツリと積み上げられていて、雰囲気しか分からない。説明板によると、西側(向かって左)は大きく崩落とあるが現場には石垣があった。現存とされる右側と比べて綺麗だし、これも積み直しかも知れない。再び入り組んだ黒瀬湾を見下ろす。山頂部(砲台があったところ)あたりからしか守るべき唐・朝鮮半島の方向が見えないのが難点だが、大和政権における対馬の拠点としてはこの立地もあり、か。またゆっくりと見に来たい。 金田城 GPSマップ。12:30登城開始、17:30下山。 訪問時期:2019年1月撮影機器:FUJIFILM X-T20 + XF10-24mm ページの一番上に戻る close

対馬 金田城 [4/4] 山頂に残る対馬海峡を睨む巨大砲台跡へ。
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城 続日本100名城
投稿日時 2020-04-07 01:20:02

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