金石城 [1/2] 対馬・宗氏の居城だった総石垣の平城の詳細

金石城 [1/2] 対馬・宗氏の居城だった総石垣の平城
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記事タイトル 金石城 [1/2] 対馬・宗氏の居城だった総石垣の平城
概要

金石城(かねいしじょう)は、中世から近世にかけて対馬を治めた宗(そう)氏代々の居館が置かれていた近世城郭。享禄元年(1528年)に発生した一族の内紛で時の当主・宗将盛は屋敷を焼失、国分寺に避難した際にその東側に築いた金石屋形がその始まりとされる。その後 戦国期を経て江戸前期には総…… more 石垣の近世城郭に拡張・改修され、桟原城が築かれるまでは藩庁として機能していた。裏山には文禄・慶長の役の際に秀吉の命で築かれた清水山城がある。建物や石垣の大半は明治以降に失われたが、金石城の顔だった二層櫓門(大手門)が古写真等を元に復元され、庭園や城門跡などが復元、城下町やお船江などが残されている。(お船江・西漕手は別ページにまとめています→金石城 お船江跡 訪問記) <基本データ> ●名称:金石城 (Wikipedia) ●所在:長崎県対馬市 (地図) ●城主:宗氏 ●築城:1528年(享禄元年) / 1665年(寛文五年) ●遺構:石垣、復元櫓門、庭園、墓所 ●時間:1時間30分 (0830−1000) 訪問時期:2019年1月金石城 訪問記 − 其の一、二。 <訪問記> 金石城といえば、この特徴的な二層櫓がそのまま乗っかった櫓門。これが天守代わりだったとも。明治に取り壊されたが、古写真等を元に復元。ちなみに右側の小さな土塀は古絵図にはなく、今後の整備計画で廃棄予定だとか。櫓門前にある金石城 説明板。なかなか詳しく経緯が書かれている。朝鮮通信使が来た際は幕府上使の宿館としても使われた。櫓門向かって左側の石垣。切石を埋め込んだ切込み接ぎ石垣だが、巨石と普通サイズの石が、まるでパズルのように組み合わせて積んである。櫓門向かって右側の石垣も同様のスタイル。このように対馬の石垣は、大ぶりの石をあちこちに混ぜてデザインされている。テキスタイル風もあれば、豆大福のようにボツボツと大石を埋め込んだタイプもある。対馬石垣と呼ぼう。櫓門の内側へ。ちょっとだけ上越高田城に雰囲気が似ている、かも。復元だが内部には入れない。内側の櫓台石垣。外側とは雰囲気が異なる。外側はやはり城の顔ということだろう。門をくぐってきた人に見せるように配置された鏡石。櫓門を入るとその先には枡形があったという。この石垣は当時の名残か。城内には大勢のにゃんこが生息中。しばし癒やされる。城内は現在は公園と化している。公園の向こうには山があり、その上には文禄・慶長の役の際に前線基地として秀吉に命じられ築城した清水山城がある。ちょうど正面の山肌が一部見えている部分がそうだ。金石城から清水山城をズームで。岩肌が見えているように見える部分は、清水山城の二ノ丸跡。下からこれだけ見えるということはかなり巨大な石垣が築かれていることだろう。ちなみに見切れている右側のピークが三ノ丸、左奥のピークが本丸だ。金石城を見終わったらそのまま清水山城へ登る予定。城内奥には庭園跡が残る。庭園内のみ有料、300円。ぜひ入ろう。名勝 旧金石城庭園 説明板。長らく埋もれていたが、平成4年に石敷き遺構が見つかったことをきっかけに発掘調査を行い、8年かけて江戸時代の姿を復元したという。作庭の歴史は明確でないが、宗家文書「毎日記」の記載から、元禄三年(1690)から3年間にかけて中庭茂三により作られた、と想定されているとか。こちらが庭園の中央に位置する「心字池」。ここからでは形がわからないが、ぐるっと回り込めるようになっているので後ほど全景を見てみよう。心字池の水はとてもキレイ。そして池底にはまるで職人が描いたような文様。小さな魚か両生類が住んでいてその動いた跡?池のサイドへ回る。正面と右側に小さな島が見える。あのあたりが心の字の点々にあたるところのようだ。少し上の角度から見られる場所もあったが、心の字に見える場所がなく。当時本丸に建っていたであろう屋敷の二階などからだと、心の字がよく分かったかも知れない。ということで心字池の裏側から庭園を出る。ここだけ某パークのアトラクション出口のような回転バーになっていてビックリ。庭園を出ると、搦手門の枡形へ出る。おお!搦手門の櫓台。上部が破壊されているが それでもよく残っている。門の礎石もしっかり地中に見える。搦手門は古い時期に作られたのだろう、巨石の使い方が対馬ぽいが、野面積みだ。枡形の外側へ。こちらは外側だからか、打込み接ぎになり、巨石も配置されている。金石城 搦手門 説明板。古絵図には「銅門(あかがねもん)」と記され、江戸中期頃に築かれた門とのこと。発掘調査で櫓台の石垣、水路、階段、石塀などが検出、東側(庭園側)は学校施設建設で僅かな基礎を残し破壊されたという。ということで、外から向かって右側は下部三分の一を復元、左側は当時の遺構のようだ。ちなみに平成27年の対馬市の整備計画書によると、搦手の櫓門を復元する長期計画もあるようだ。東側の石垣。学校施設建設の際に大きく損なわれ、発掘調査で基礎が出てきたことから、下三分の一だけ復元したという。搦手門を正面から。当時は恐らく銅板を使用した巨大な櫓門がここにあった。搦手門跡 を少し引きで。左側(西)の石垣の高さはオリジナルのままなのだろうか。城の南側を流れる金石川に掛かる石橋上から。橋を渡って川越しに。川の側面も石垣がびっしりと積まれている。川とあるが内堀だろう。左奥の古そうな石橋は、宗家墓所のある万松院の橋。では内堀沿いに城の正面まで石垣を見ながら戻ってみよう。大小異なる石材がテキスタイル風に積み上げられた、独特の様相を持つ対馬石垣。大石の形は様々だが、小さな石は直方体になっており、横のラインが揃っている。アートのようだ。こちらも大石の周りを小さな直方体の石が間を詰めている。このあたりは大石がかなり大きくその面積の殆どを占めている。金石城跡は現在 資料館含めた整備計画に基づき大々的に工事をしている。この右側の石垣も眼前のスロープを作るために途中で壊され曲げられているとのことで、全て古絵図のとおりに積み直される予定だとか。ここには金石城の入口という説明板があるはずなのだが、見当たらない。あちこち探し回ると、写真左側の黄色い看板(工事内容を掲示)の後ろに隠れていた。金石城 入口 説明板。金石城の全体構造が簡潔に説明されている。この内容に沿って、長期計画でそれぞれが復元されていくらしい。このスロープの上にあった対馬歴史民俗資料館は平成29年に閉館し、全面改築中。このパネルによると、平成31年2月には大リニューアルするように見える。訪問時は平成31年の1月中旬なので後1ヶ月なのだが、すぐ目の前ではまだ建物そのものを建てている真っ最中。工事かなり遅れてるのかな、と現地で心配になる。帰って調べると、平成32年度(2020年度)中の開館予定、とあった。金石城本丸の隅石垣。もう一つ、整備事業にて復元・整備され見られるようになる遺構として本丸奥の「御台所門」がある。平成25年に発掘調査で板石を建てた石垣と石塀が発見され、今はその時のまま保存されているという。現在は立入禁止だが、清水山城への登城路から見下ろす事ができた。 続いて其の二では、宗家墓所跡や武家屋敷跡を始め、城下に残る金石城の痕跡を見に街ブラしてきます。 >> 金石城 [2/2] へ続く。<< 訪問時期:2019年1月撮影機器:FUJIFILM X-T20 + XF10-24mm 一番上へ戻る。 close

金石城 [1/2] 対馬・宗氏の居城だった総石垣の平城
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城
投稿日時 2019-11-12 23:00:02

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