玉城城 : 丘陵上の城壁とアーチ門が特徴的なグスクの詳細

玉城城 : 丘陵上の城壁とアーチ門が特徴的なグスク
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記事タイトル 玉城城 : 丘陵上の城壁とアーチ門が特徴的なグスク
概要

玉城城(たまぐすくぐすく)は沖縄本島南部の独立丘陵上に残るグスク跡で、琉球開闢(かいびゃく)の祖・アマミキヨ築城の伝説が残る。発掘調査からは14〜15世紀末の遺構が出ており、玉城按司の小規模な拠点を経て、琉球国王の東御廻り拝所の一つとなったと考えられている。丘陵の頂部にあたる一の…… more 郭には石垣が良好に残り、琉球石灰岩をくり抜いたアーチ門が城下からも見える。古絵図には更に二の郭・三の郭にも石垣の城壁がぐるりと囲っていたとあるが、戦後の米軍基地建設で二の郭以下の石垣は持ち去られ、今は僅かに痕跡が残るのみとなっている。 <基本データ> ●名称:玉城城 (Wikipedia) ●所在:沖縄県南城市 (地図) ●城主:伝アマミキヨ、玉城按司 ●築城:14世紀頃? ●遺構:石垣、アーチ門、石畳、拝所 ●時間:30分 (1330−1400) 訪問時期:2019年3月 <訪問記> 玉城グスク駐車場入口に建つ城跡碑。汚れてて見づらいが、国指定史跡 玉城城跡 と書いてある。城跡碑の裏側にある説明パネル。簡潔に歴史と構造と現場を説明していて分かりやすい。「沖縄の名城を歩く」書籍に掲載されている近代の絵図「琉球国玉城々趾之圖」には二の郭・三の郭の石垣が描かれており、糸数城のように頂部から登り石垣のように斜面を下る長い城壁があったようだ。説明パネル上の玉城城 図面。一の郭 以外はザックリ。多少残っているとされている二の郭・三の郭の遺構を描いてほしかった。では登城しよう。駐車場の奥に林の間に入るスロープが見える。一の郭へと通じるスロープ。ここを上がっていく。林を抜けると広場に出る。ここが元 三の郭。3800平方メートルほどあるという。三の郭 北東部の張り出し部。石垣の持ち去りにより土が崩れ形が分からなくなっているようだが、この張り出し部の南側あたりにかつて城の出入口があったと想定されている。三の郭から先は急斜面となり、かつては石畳のスロープが作られていたが、今はその上に木組みの階段が設置されている。階段をあがりながら、丘陵の岩盤とその上に築かれた石垣を見る。圧巻!琉球石灰岩が複雑な形をして丘陵の上にせり出している。その上に更に2−3mの石垣が築かれている。階段を上まで上がってきた。最後は石段になっており、木組み階段の横にはかつての登城路だった石畳の跡が僅かに残っている。階段の先には、玉城グスクの特徴的なアーチ門が見える!右側は写真のとおり断崖で、下からもこのアーチ門ははっきりと見える。アーチ門を真下から見上げる。他のグスクで見られるような石積みで構成しているのではなく、琉球石灰岩の岩盤をくり抜いている。丘陵斜面と、石垣の城壁と、アーチ門。ではアーチ門をくぐって一の郭へ入ってみよう。400年以上 風雨に晒され、沖縄戦も乗り越え、残っているアーチ門。すごい。アーチ門。琉球石灰岩の岩盤をくり抜いているが、一部石垣で補強しているようだ。アーチ門を越えて一の郭を見たところ。地面に石畳の跡が残る。右奥の石囲いが拝所(御嶽)跡。御嶽へ行ってみよう。全体的に崩れ気味ではあるが、ここが説明板にあった「天つぎあまつぎの御嶽」跡。書籍には漢字で「雨粒天次」と書かれていた(前後が逆?)。アーチ門入ったところの様子。石畳で御嶽までのルートを示している?主郭南側(入って左側)は一部石垣の城壁がない場所がある。木々が生い茂っているが、隙間から太平洋が見えた。奥にも石垣の城壁があったが、大きく崩れているのか、足元にもゴロゴロと石材が散在していた。残りが良い入口側(一の郭東側)の石垣を近くで見る。3mほどの石垣が現存。石垣を細かく見てみると、時折直方体に加工されたと思われる形の石材も混じっていた。いわゆる転用石的なものだろうか?たまたま? 琉球石灰岩はサンゴ由来で柔らかく加工しやすい。そして城壁の内側の一部はこの通り二段構成になっていた。外の敵を見張ったり攻撃するための段だろうか、強度を増すためのものだろうか?では再びアーチ門を通って下山しよう。門の左側は石垣がしっかり残っているが、右側は崩れているのか一部低くなっている。大型台風などが来て崩壊してしまわないか心配だが、400年持ったのだから意外と大丈夫なのかも。アーチ門から外側を見る。資料によると比高は30mほどだが、このあたり一帯は台地で海面より150mほど高いそうだ。奥の太平洋を見ると確かにかなり低い。ちなみに二の郭はこの木組み階段の下だが、この通り柵があり降りることが出来なかった。正面の踊り場の下あたり。木組み階段を降りながら、琉球石灰岩の岩盤上に築かれた石垣城壁を再び見る。凸凹の岩盤の隙間を埋めるように石垣が築かれている事がわかる。少し引いて。右下に石畳のスロープが見える。城壁とスロープの間は何があったのだろうか。良好に石畳スロープが残る場所。雨の日にこの角度の石畳を登るのはかなり大変そうだ!三の郭の先端部へ。前述の通り、石垣は米軍により持ち去られたが、一部根本の何段かが残る箇所があるという。三の郭の外周斜面に沿って歩いて痕跡を探してみよう。三の郭北側の折れ曲がり部に、石垣の痕跡を発見。石垣の下も崩れた石材が散乱しその上に土が積もって盛り上がっているものと思われる。三の郭の斜面を降りてきた。右奥に一の郭のアーチ門が見える。三の郭に沿って移動。左側は張り出し部の石垣か。三の郭 北東部の張り出し部 外周石垣。一の郭に比べて加工度合いの高い整形された石材が積み上げられている。三の郭 張り出し部。2〜3段ぐらいの石垣の痕跡があちこちにわずかだが残っていた。ぐるっと一周回って再びスロープ前へ。車道からも一の郭のアーチ門と、その下の広い三の郭の削平地がよく見えた。石垣が持ち去られる前は立派な石垣を備えた城跡だっただろう。 訪問時期:2019年3月撮影機器:FUJIFILM X-T20 + XF10-24mm 一番上へ戻る。 close

玉城城 : 丘陵上の城壁とアーチ門が特徴的なグスク
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城
投稿日時 2019-08-16 01:20:02

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