今回は、現在の神奈川県横浜市港南区にあった城、笹下（ささげ）城です。笹下城跡は現在、成就院やその周辺一帯の住宅街となっていて、上大岡駅から江ノ電バスで日下（ひした）小学校前バス停で下車すると、徒歩１０分ほどで行くことができます。元笹下橋。笹下城の総門跡といわれている橋です。写真は…… more 総門跡の内側に当たる場所から撮影しています。若宮御霊神社。天文年間（１５３２～１５５５年）に間宮信元によって開基されたとされる若宮八幡宮が、１９０８年（明治４１年）に御霊権現社を合祀した神社です。笹下城は、天文年間（１５３２～１５５５年）に後北条氏の家臣・間宮信元が築いたとされています。社殿。若宮御霊神社は笹下城の若宮曲輪跡とされています。その後、信元の子・康俊が城主となり、玉縄城や青木城と連携して房総の里見水軍の侵攻に備えました。空堀跡。成就院の手前にある道路は空堀跡とされていて、冒頭の案内表示があります。どちらかというと、左側に見える民家の建っているあたりが空堀跡なのかなぁという気もします。成就院の入口。真宗高田派の寺院で、創建は不明ですが元々は法相宗の寺院だったものを、１２１４年（建保２年）に祐玄が親鸞の弟子となり浄土真宗に改宗しました。梅花山 成就院の山門。１５９０年（天正１８年）、豊臣秀吉による小田原攻めの際に間宮康俊らは山中城に入り、豊臣秀吉の軍勢と激しい戦いを繰り広げた末に討ち死にします。この時の戦いぶりが認められ、笹下城は廃城となるものの間宮氏の一族は徳川家康の家臣となりました。成就院の本堂。現在の本堂は２０１４年（平成２６年）に再建されたもので、以前の本堂は約１３０年前に他の寺の本堂を移築したものとされ、耐震性が不足していたことから建て替えられました。子の寺院の裏手一帯が笹下城の本丸跡とされています。土塁跡。本堂裏手の墓地の一角に土塁跡が残されています。笹下御下（おおしも）公園。笹下城の下屋敷があったとされる場所には公園があります。遊具がいくつかあるだけの小規模な公園です。間宮氏の子孫に、江戸時代後期に樺太が島であることを確認し、間宮海峡を発見したことで有名な間宮林蔵がいます。洋光台一丁目公園。笹下城の主要部分の一部だったとされる公園です。訪問時は改良工事中で、一部の遊具を取り換えているのか新設しているのか分かりませんが、とにかくあまりじっくりとは見れませんでしたが、遺構はなさそうでした。最後に、成就院の墓地と住宅街の境目にあたる位置からの眺め。ここがおそらく笹下城で一番高いところだったと思われる場所で、非常にいい眺望でした。宅地開発の波に飲み込まれて、充分な発掘調査もままならず消えていった笹下城ですが、地形からかすかに残る城跡の匂いは確かに感じ取ることができました。では、この辺で。御城学。 close

笹下城（武蔵国・神奈川県横浜市）