第668号岩切城の詳細

第668号岩切城
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記事タイトル 第668号岩切城
概要

 別名、高森城。築城年代は定かではありませんが、南北朝時代に留守氏によって築かれたと云われています。留守氏は、もともと源頼朝による奥州合戦の後、1185年から90年間に伊沢家景が陸奥国留守職に任じられ、国府である多賀城近辺に居を構えて留守姓を名乗ったことが始まりとされて…… more います。そのため、以前からこの一帯の領主でもあり、岩切にあった留守氏の要害が、1333年あたりから南北朝争乱激化に伴い、次第に城郭化して留守氏の居城となったのだと考えられます。ちなみに留守職に任じられた当時には多数の市場ができ、東北地方最大の商業地域であったそうです。 陸奥国府であった多賀城から西に約4kmに位置し、七北田川と奥大道とが交差する陸奥国の交通の要衝にあった山城でした。東北地方における典型的な縄張りで、標高106mの高森山を起点に派生する尾根を平らに削って多くの郭を配置。要所に空堀や土塁を構えた梯郭式では東と西に堀切で区切られて分かれていました。西郭の中心は高森山の頂部に位置する本丸であり、南北に細長く東西30m×南北70mの広さで、その東南に二ノ丸が、さらにその東南に三ノ丸が位置した三段構えでこれらが中枢的として時を経て諸郭を順次拡大、整備していったとされます。 1351年、足利尊氏と弟の直義の対立による「観応の擾乱」が東北にも波及し、奥州管領の吉良貞家と畠山国氏が対立。尊氏方についた畠山氏、宮城氏、留守氏は岩切城に籠城して対抗したものの、これを直義方の吉良氏、和賀氏、結城氏に攻め落とされ、畠山国氏ら100名以上が討死あるいは切腹しました。 この戦いで勢力を失った留守氏は、1400年以降、大崎氏が奥州管領職を世襲するようになると傘下に入りつつ、勢力の回復に着手。しかし、1500年代から伊達氏の勢力が北上してくると、留守氏は内部で大崎派と伊達派に別れ抗争。伊達派が積極的に入嗣を迎え入れ、1567年には当主の留守顕宗が伊達晴宗の三男政景を養子に迎えています。留守顕宗から当主と岩切城を継いだ政景は1570年、村岡兵衛を中心とする反抗勢力を武力と懐柔をもって対応し、最終的に村岡氏を滅亡させます。村岡氏の居城であった利府城に居城を移したため、やがて岩切城は廃城となりました。 遺構は、郭、堀、井戸跡、土塁が現存しており、1982年、国指定史跡に指定されています。現在は、「県民の森」の一部として整備され、桜の名所として知られています。東日本大震災により一部の遺構が崩れたようですが、訪問時には復元されていました。【交通アクセス】JR東北本線岩切駅より北西約2km【近隣の高校】宮城県宮城野高等学校今年で創立24年を迎えた比較的新しい高校です。宮城県のパイロットスクールとしての機能を持っており、美術科、普通科、総合学科(人文系列、理数系列、美術系列)の3学科が設置されています。全国の美術科設置校67校のうちの1校、また県内では唯一の高校です。高校HPとは別途独立した美術学科で独立したHPを保有しています。なお、併せて総合学科でも美術系列を設置している高校は、全国的にもかなり珍しいケースです。県内パイロットスクールとして他校と違う点があり、「毎年の定例行事がない。(前年度秋頃に決定)」、「部活・委員会がない」、「校則がない」、「クラスの呼び方が1年6組=16ホーム、3年7組=37ホーム」などユニークです。ちなみに以前、公民科・倫理の授業で、生徒が思ったことを予め投稿し、それを授業で取り上げる「テオーリア」という手法をまとめた書籍が2007年末に発売されたそうです。 close

第668号岩切城
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投稿日時 2018-12-10 01:20:02

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