三原城 [2/2] かつて海に面していた船入櫓跡から中門跡へ。の詳細

三原城 [2/2] かつて海に面していた船入櫓跡から中門跡へ。
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記事タイトル 三原城 [2/2] かつて海に面していた船入櫓跡から中門跡へ。
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三原城 訪問記 其の二。 [前回までの訪問記 概要] 小早川隆景の海城・三原城へ。まずは駅舎から天主台を見学、駅の北側にほぼ往時のまま残る堀越しに天主台をじっくりと見て回る。後藤門石垣が復元されるなど整備が進んでいる。其の二では断片的に残る三原城の痕跡を求めて街を歩く。 訪問時期…… more :2018年4月 三原城 訪問記 − 其の一、二。 <訪問記> まずは案内板に掲載の絵図を使って、これから訪れる場所をご紹介。天主台の東に残る川沿いの石垣「水刎」、かつては海に面し内堀に入ってくる船を見張っていた「船入櫓跡」、そして本丸と二ノ丸とを繋ぐ「中門」跡の三ヶ所をめぐる。 まずは天主台から東へ進んだ先、神明大橋西詰の交差点へ。当時から残る和久原川は、今も三原湾まで繋がっている。川の南向きに向かって右側、西側の石垣に注目。複雑に折れ曲がった川岸にしっかりと石垣が築かれている。 和久原川水刎(みずはね)。川の流れを弱め、城の用地を確保するために築かれた石垣という。橋の上からはその跡などは分からなかったが、水が強く当たる場所には穴が開けられ鉄棒で連携していたとか。 水刎の石垣。自然の川に櫓台のような突出した隅石垣が築かれているのが、それか。かつての三原城は、この和久原川が東端だった。つまりこの石垣までが三原城域。 そしてここから南へ。船入櫓の石垣を目指す。埋め立てられた地に、突如現れる水地と石垣。これは内堀跡で、奥の石垣の上が船入櫓台へ通じる本丸南東部だ。左奥の建物の奥に行けば、石垣を間近で見られる。 船入櫓 近くの本丸石垣。内堀は際まで埋められ、かろうじて細く残されている。 船入櫓石垣。駐輪場はかつての内堀の上に築かれている。 船入櫓の南東部。かつてこのあたりは海で、海から出た岩盤を根石としてその上に隅石垣が築かれているように見える。隅部はしっかりとした算木積みだ。 そして船入櫓の南西端へ。こちらは石垣にくっつけて橋が造られてしまっていた。。。 船入櫓跡。こちら側もかつては海だったが、完全に埋め立てられ公園になってしまっている。 角石には刻印も見られる。 船入櫓の石垣に沿って北へ。石垣が少し膨らんでしまっている。 櫓台脇には古い史蹟碑が建つ。 かつては海に面し突出していた船入櫓。今は埋め立てられ公園の中に残る石垣跡となっている。 古絵図にも残る、石垣の折れ部。 かつての三原湾の中から、石垣の折れ曲がり越しに船入櫓を見る。右端の先端に、二層の櫓が建って湾岸に入ってくる船を見張っていたようだ。 続いて本丸西側にあった、二ノ丸とを繋ぐ中門跡を見に行こう。右奥の自転車おきばの裏側に石垣らしきものが見えてきた。 三原城 臨海一番櫓址。その名の通り、眼の前の石垣の上に櫓があり、ここが臨海だった。今いる場所はかつての海の上。 石垣の上までが本丸。石垣の外側(左側)は内堀を挟んで二ノ丸があった。奥に見える橋がかつての中門から二ノ丸へ通じていた土橋のようだ。それにしても石垣が斜めになっている。復元したものだろうか。 本丸南西端の石垣と内堀跡。石垣がいわゆる落し積みになっている。現存なのか、復元したものなのか、見ただけでは判断が付かない。 そして石垣が途切れて居る場所へ。当時の中門跡だ。この奥が本丸、手前が二ノ丸だった。 中門跡の北側はなんと打ち込みハギの石垣がそのまま残っていた。上の方は復元ぽい気もするが下の方は現存だろう。内堀は天主台の北側までずっと繋がっていたが、駅舎が出来た関係からか、途中で埋め立てられてしまっているようだ。 本丸中門跡の石碑と、大きな説明パネルがある。 史跡 三原城跡。手書きの文字がエッチングされている。中門跡に建っているが、中門の石垣や堀に関する説明は無し。 説明板にあった三原城跡の絵図。 本丸部分をアップで。今いる場所は左側の赤丸●部分。船入櫓跡の石垣から、本丸南側のかつての海の上を通って、中門跡まで歩いてきた。 中門跡北の本丸東側石垣。結構大きな石が打込み接ぎで積み上げられている。 本丸東側石垣。古絵図を見るとこのまま天主台まで繋がっていたが、残っているのはここまで。それでもよく残してくれたと言いたい。 最後に天主台西の公園に設置された、小早川隆景公像を見に行こう。坐像で結構小さい。 小早川隆景公。戦国大名というより智将といった佇まいの姿だ。 小早川隆景公像。 台座に設置された説明板。慶長二年に没した際、太閤秀吉は「天は何ぞ我が隆景を奪うや」と大いに憂いたとか。 最後にグルっと回って天主台まで戻ってきて、天主台石垣の説明板が西側にあったことに気づいた。広島城の天守なら六つも入るという広さを持つ! 先に見た天主台の石垣隅部は直線的で勾配は無かったが、説明板には「裾を引いた扇の勾配の美しい姿は〜」とある。アブリ積みとは、石垣の石材を奥より表面を長く取る形で積む手法で、美しいが難しいと言われていたが、四百年経っても崩れていない。 三原城 天主台 南西端。確かにこちら側は角度が付けられ、扇の勾配とも言える美しい反りを持っている。地震損壊による修理などにより、反りを持つ隅部と持たない隅部に分かれてしまったのかも知れない。 新幹線の駅が乗っかっていることで有名な三原城跡だが、街を歩いてみるとかつての巨大海城のイメージが湧く幾つかの遺構が残っていることに気付く。ぜひ時間を取って三原の街を歩いて当時の三原城の大きさを実感したい。 訪問時期:2018年4月 撮影機器:FUJIFILM X-T10 + XF10-24mm – – – – – – – – ブログ人気投票参加中. いつも投票アリガトウ(^-^) 投票するのも、順位を見るのも、上↑のアイコンを押してね! ページの一番上に戻る   close

三原城 [2/2] かつて海に面していた船入櫓跡から中門跡へ。
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城 続日本100名城
投稿日時 2018-08-13 04:20:02

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